ヨーロッパのサッカーシーンで、ネーションズリーグという新しいトーナメントがスタートしました。
どのようなリーグなのかイマイチわからなかったので、リーグの内容と経済効果をまとめてみました。
UEFAネーションズリーグとは
UEFAが主催する「各国サッカー代表による国際大会」です。UEFAはこれまで、ヨーロッパチャンピオンを決めるユーロを4年に1度開催してきました。そしてFIFAが同じく4年に1回、W杯を開催しています。W杯とユーロの合間を縫って開催されるのがこの「ネーションズリーグ」です。その第1回大会が今年2018年になるのです。
UEFAネーションズリーグのしくみ(レギュレーション)
ネーションズリーグは、UEFA所属の55カ国を4つにランク分けします。一番高いランクがリーグA、低いのがリーグDです。
それぞれのリーグの中でグループ分けがなされ、リーグ戦を戦って勝者を決めます。
2018年の各リーグ・チーム構成は以下の通りです。
一番ランクの高いリーグAの首位チームでトーナメントを戦い、優勝国を決めます。
ユーロの出場権が得られるチャンスもある!
次回のユーロ2020は、24チームで争われますが、このユーロ本戦に出るには2019年3月から始まるユーロ予選で勝ち上がる必要があります。この予選で20チームの出場が決まり、残りの4チームは、このネーションズリーグで決まるのです。
ネーションズリーグは、各リーグの中でグループ1〜4の4つに分かれています。
このグループ1位同士でトーナメントを組み、それぞれ勝ち上がった1チームがユーロの出場権を得られます。(グループ1位が既にユーロ予選を勝ち抜いていた場合は2位のチームがトーナメントに出られます)
例えば、2018年11月15日時点でのリーグDのグループ首位は以下のようになっています。
グループ1 ジョージア
グループ2 ベラルーシ
グループ3 コソボ
グループ4 マケドニア
仮にこのままネーションズリーグが終わり、首位が上記4カ国であれば、この4カ国でトーナメント戦が行い、1位になった国がユーロ本戦に出場できるというわけです。
前回大会もウェールズやアイスランド・北アイルランドなど、これまでユーロにあまり縁がなかった国が活躍をして大会が大いに盛り上がりましたが、次回もこうしたマイナーな国に出場チャンスがある大会ともなっているのです。
リーグには昇格・降格がある
各リーグの最下位は、下のリーグの首位と入れ替わる、いわゆる「昇格」と「降格」があります。
例えば、リーグAでは、ドイツ・アイスランド・ポーランド・クロアチアがリーグBに降格となりました。W杯準優勝のクロアチアやドイツが降格するとは、非常に厳しいリーグですよね。
ネーションズリーグの経済効果は?
このネーションズリーグは試合ごとのフィー・勝利ボーナスなどが各チームに支払われます。
ネーションズリーグ参加チームに支払われる基本フィー
Group Stage Fees(リーグに参加することで得られる報酬) | |
League A | €2.25m |
League B | €1.5m |
League C | €1.125m |
League D | €750,000 |
ネーションズリーグの勝利ボーナス
Group Stage Winners Fee(グループリーグの首位チームへの報酬) | |
League A | €2.25m |
League B | €1.5m |
League C | €1.125m |
League D | €750,000 |
ネーションズリーグ:リーグA決勝トーナメント進出チームへのボーナス
リーグAを勝ち抜いた4チームへの報酬 | |
優勝 | €6m |
準優勝 | €4.5m |
3位 | €3.5m |
4位 | €2.5m |
参照:報酬・賞金
https://www.uefa.com/insideuefa/about-uefa/news/newsid=2575923.html
参照:試合日程
https://www.uefa.com/uefanationsleague/season=2019/matches/index.html#/md/33532
まとめ
このようにUEFAネーションズリーグは、新しい国際大会と言えます。運営次第で、ユーロやW杯のようにより注目度の高い大会へと育っていくでしょう。これまで行われていた親善試合などが減り、「真剣勝負」の試合が増えたことで、チームの強化に役立ち、経済的にもプラスになると思われます。
一方で、試合数が増えることで選手への負担が大きくなり、ケガのリスクも高まります。クラブ側のチーム運営も難しくなるでしょう。
ファンにとってみれば、試合がたくさん観られることは嬉しいことではあります。