最近、ネットやニュースでMaaSという言葉を目にする機会が多くなってきました。 今回はMaaSについて取り上げたいと思います。
MaaSとは
MaaSは、「Mobility as a Service」の略で「マース」と読みます。 『移動するものを共有(シェア)することでサービスを提供する』という新しいビジネスのかたちです。
言葉だと分かりにくいですが、ビジネスモデル例としてカーシェアをイメージしてもらえばわかりやすいと思います。
他にも、UberやGrabなどの配車サービス、akippa(アキッパ)などのシェアパーキング・サービス、バイクシェアや相乗りサービスなど、多くの企業がこのビジネスに参入してきています。
MaaSは、私たちに新しい概念を植え付けました。一昔前には、一つの車を他の人とシェアするという発想はありませんでしたし、個人が所有している自動車をタクシーのように自分が移動する際に利用するなんて想像できなかったのではないでしょうか。
日本国内でMaaSのサービスを提供している(株)MellowがMaaSのマップを発表しました。国内ではまだまだこれからですが、海外はいち早く多くの企業がこのビジネスに参入してきています。 MaaSカオスマップ(2018最新版)を公開!世界のMaaS企業を8業種115社掲載
そこでまず、弊社がビジネスでよく訪問しているインドネシアのMaas企業をご紹介します。
インドネシアの庶民の足を変えたゴジェック(Go-Jek)
インドネシアの企業で、シェア・ライドのサービス:バイクの配車サービスを提供して大きく成長しているのがゴジェック(Gojek)社です。サービス形態は、Uberなどに似ていて、顧客は専用アプリで行先を入力してバイクを呼びだします。顧客の元へバイクが来て二人乗りで行先まで送り届けます。
渋滞のひどいインドネシアには、OJEK(オジェック)と呼ばれるバイクタクシーが元々あったんですが、料金をドライバーと交渉したりという、まさに個人サービスレベルのものでした。
OJEKの他に、移動手段としては、タクシーやバジャイ(BAJAJ)という3輪タクシー、アンコット(Angkot)と呼ばれる乗合自動車などがありましたが、やはりそれらも距離や行き方・天気などに応じて価格交渉をする文化だったようです。
GoJeKの場合、アプリで運転手の名前と携帯番号が通知されますし、流しや道端のOJEKよりも安心ということで、利用者が急拡大したのです。 ゴジェックのドライバーは個人で所有しているバイクを持ち込んだかたちで雇用されます。 会社が客を探してくれるので、個人でバイクタクシーするよりも収入が見込めるGo-Jekのドライバーになりたい方も多いようで、既に40万人以上の方がドライバーとして活動しています。
Go-Jek(ゴジェック)社は、移動をキーに様々なサービスを展開中
配車サービスがスタートでしたが、今やそのサービスだけにとどまりません。
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- Uberのような自動車の配車からフードデリバリー・荷物の配達・宅配サービス・買い物代行などのサービス。
- Go-Payとしてモバイル決済やポイント事業などのサービス
- Go-Lifeとして、マッサージ・クリーニング・ヘアケアやネイルなどのサービス
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といった事業を展開しています。
「移動」手段をフル活用して「人」だけでなく「物」「食事」「お金」などを動かすサービスをアプリを通じて提供しているということになりますね。 既にユーザー数が3,500万人を超えるとも言われており、今後の事業展開にも注目です。 そういえば、今年1月にはGoogleがGo-Jekに出資したことでも話題になりましたね。