ドバイに行くにあたり、エミレーツ航空でチケットを取りましたが、この航空チケットには、コロナ対応の旅行保険が付帯されていました。
今回は、このコロナ対応旅行保険:マルチリスク旅行保険について解説します。
旅行保険が自動付帯される
エミレーツ航空でチケットを取りますと、自動的に旅行保険が付帯されてきます。マルチリスク旅行保険という名称のようです。
特に、自分で加入手続きをする事なく、また保険がついたからといって料金が上がることもありません。
万が一、渡航先でコロナ陽性になってしまったら、自費で隔離生活を行わなければならないので、こうした旅行保険に加入しておく事は重要かと思います。
この保険は、エミレーツ航空サイトから直の申し込みでなくても、格安航空券オンラインサイトや旅行代理店から購入しても付帯されます。
マルチリスク旅行保険の補償内容
エミレーツ航空のチケットに付帯されてくる旅行保険の補償内容は以下の通りです。
2021年12月から補償内容が見直しとなり、医療費・隔離時の補償に限られるようになっています。
海外医療費・緊急避難時の費用 | 最大 |
新型コロナウイルス検査で陽性となり、海外滞在中に自主隔離が必要とされる場合 | 連続する14日間まで、搭乗者1人につき1日当たり |
マルチリスク保険の補償期間
2021年12月1日から2022年3月31日までにフライトを購入した場合にマルチリスク旅行保険が自動的に付帯されます。
補償期間は、搭乗した日から31日間です。
以前は、往復チケットは最大1年間といった内容でしたが、現在は最大で31日間となっています。
往復チケットの場合 | 旅程期間終了まで(旅行期間最大1年間) |
片道チケットの場合 | 最終目的地への到着から48時間後に補償が終了。 緊急医療費と海外隔離費用の補償は最終目的地への到着から31日後まで。 |
保険から推察する新型コロナの罹患リスク
この保険は、チケットを購入すると自動的に付帯されます。付帯される事による料金も発生しません。
つまり、保険料(掛け金)はエミレーツ航空負担ということになります。
現在は搭乗者が大幅に減少していることから、航空券そのものが激安になっている状態です。
例えば、東京(成田)-ドバイ間の往復チケットが58,000円(2021年2月時)ほどです。通常の40〜50%ほど安い計算になります。
搭乗者が少なく、料金を下げているのに、保険料も負担しているのです。つまり「負担できるレベルの保険料額」ということです。
保険料は「確率」によって計算されます。
つまり、どのくらいの人が罹患するか?で保険料をするのです。
例えば、民間で販売されている医療保険は通常、被保険者が病気になっただけでは保険金や給付金の支払いは発生しません。
入院をしたり、手術をしたりして初めて給付が発生します。
このマルチリスク保険は違います。
罹患したら必ず給付が発生する保険
新型コロナの場合は、陽性だと隔離・入院などの対象となるため、罹患しただけで必ず保険金・給付金が発生するのです。
にもかかわらわず、航空会社が負担しているということは、かなり保険料が安い=確率が低い=罹患リスクが非常に小さい、と推察されます。
今のような時期に飛行機に乗る方は、移動しなければならない理由がある方なので、世の中のコロナの状況を鑑みても、自分で保険にも加入するはずなんです。それをわざわざ航空会社が無料で付帯するということは、保険料が非常に安い。つまり、罹患リスクが思っている以上に低いんだということです。
僕は保険会社の本社にいて商品開発も見てきてましたが、保険会社は損をする保険は絶対に作りません。このマルチリスク保険はAIGグループで引き受けをしているようですが、間違いなく保険料より支払いの方が多くなるような商品は作りませんので、支払い確率はそんなに高くないと考えるのが妥当です。
エミレーツ航空は、これまでたくさん利益を上げていて財政的に余裕があるから保険料が高くても負担できるんだ、と思っている方もいるかもしれません。
とんでもないです。
エミレーツ航空は、2020年夏に会社全体の15%にもあたる9,000人もの解雇、さらに減給・無給休暇も実施している、と報道され、2020年末には解雇数が30,000人にも上るとも言われてるくらい、経営ダメージを受けています。
まとめ
エミレーツ航空の自動付帯・マルチリスク保険について解説しました。
今のところ、2021年3月までで自動付帯は終了ということになっていますが、現状から見て、延長する可能性もあります。
今月中に海外に渡航する方は少ないとは思いますが、もし渡航する際もこのような補償がついてくるのはありがたいですね。
また、保険料負担の仕組みから、新型コロナ感染リスクへの不安が少し和らぐのではないかとも思います。