日本だけでなく、世界各国にも消費税(VATよ呼ばれます)はありまして、これまで非課税だった国でも導入されたりしています。
今回は、消費税率について情報共有したいと思います。
各国の消費税率
世界各国の消費税率はどのくらいなのでしょうか?
海外諸国では、消費税のことを「VAT」と言います。
VATは「Value Added Tax」の略で「付加価値税」のことを指します。これは商品やサービスが最終消費者に販売される過程で、その価値が増えるたびに課税される消費税の一種です。
VATの税率の高い国トップ30と低い国トップ30をまとめてみました。
VATは、商品やサービスによって税率が大きく変わることも珍しくないので、ここでは標準税率と呼ばれる一般的な税率で比較しています。
消費税(VAT)の税率が高い国トップ30
No | 国名 | 税率 |
---|---|---|
1 | ハンガリー | 27% |
2 | アイスランド | 25.5% |
3 | ノルウェー | 25% |
4 | スウェーデン | 25% |
5 | クロアチア | 25% |
6 | デンマーク | 25% |
7 | フィンランド | 24% |
8 | ギリシャ | 24% |
9 | ポルトガル | 23% |
10 | ポーランド | 23% |
11 | アイルランド | 23% |
12 | イタリア | 22% |
13 | スロベニア | 22% |
14 | ベルギー | 21% |
15 | ラトビア | 21% |
16 | リトアニア | 21% |
17 | オランダ | 21% |
18 | スペイン | 21% |
19 | オーストリア | 20% |
20 | チェコ | 20% |
21 | フランス | 20% |
22 | スロバキア | 20% |
23 | イギリス | 20% |
24 | エストニア | 20% |
25 | ブルガリア | 20% |
26 | ドイツ | 19% |
27 | ルーマニア | 19% |
28 | キプロス | 19% |
29 | マルタ | 18% |
30 | ルクセンブルク | 17% |
消費税(VAT)の税率の低い国トップ30
No | 国名 | 税率 |
---|---|---|
1 | バーレーン | 0% |
2 | クウェート | 0% |
3 | カタール | 0% |
4 | バミューダ | 0% |
5 | ケイマン諸島 | 0% |
6 | グリーンランド | 0% |
7 | ジャージー | 0% |
8 | ガーンジー島 | 0% |
9 | フェロー諸島 | 0% |
10 | ジブラルタル | 0% |
11 | リヒテンシュタイン | 0% |
12 | モナコ | 0% |
13 | アンドラ | 5% |
14 | オマーン | 5% |
15 | アラブ首長国連邦 | 5% |
16 | カナダ | 5% |
17 | 台湾 | 5% |
18 | シンガポール | 7% |
19 | タイ | 7% |
20 | スイス | 8% |
21 | 日本 | 10% |
22 | オーストラリア | 10% |
23 | マレーシア | 10% |
24 | 韓国 | 10% |
25 | サウジアラビア | 10% |
26 | ニュージーランド | 10% |
27 | メキシコ | 16% |
28 | トルコ | 18% |
29 | チリ | 19% |
30 | ロシア | 20% |
日本の消費税率は他国に比べ高いのか?
単純に税率の数字だけ見ると日本の税率は高くありません。むしろ低い部類に入ります。
各国共に食料品などは軽減税率を用いているところが多く、消費税率トップのハンガリー(27%)も、食料品(乳製品やパン・卵など)は18%が適用されます。
高税率2位のアイスランド(24%)も食品などは11%の税率になっており、特に日常生活に必要なものは低くしているケースが多いです。
それでも日本の軽減税率は8%ですから、こちらも海外諸国との比較だと低いと言えるでしょう。
消費税は「税率」だけでは判断できない
しかし、消費税(VAT)は、すべての消費活動に関わってきますから、大前提としてその国の経済状況に大きく影響します。
私が仕事でよく行くサウジアラビアやUAEは、元々は「非課税の国」として有名でしたが、両国共に2018年にVATを導入しました。
例えば、サウジアラビアは2018年に初めてVATを導入し、5%の税率でスタートしましたが、2年後の2020年には早くも税率が15%となり、一気に3倍の税率に引き上げられました。
それでも、GDP成長率は2021年は4.32%・2022年は8.68%と上昇を続けています。
日本より税率は高いですが、日本よりも経済は成長しているのです。
サウジアラビアは、経済が石油に依存しているという側面があるので、原油価格やOPECの減産/増産同意などで成長率は大きく変わります。
今は、国自体で成長を続けていているため、税率のアップを成長率でカバーできていると見ることができます。
UAEの経済成長率もコロナ禍に見舞われた2020年以外、下がっている年はありません。
逆にVAT増税により経済が悪化した国として、例えばEU内では、ギリシャ・スペイン・イタリアなどがあります。
日本と同じく経済状況がそもそもよくない国々ですね。
このように単純に「税率」の高い低いで比較するのは難しいのです。国によって状況が異なるためです。
まとめ
今回は、消費税の税率をトピックとして扱いました。
日本の消費税率は決して高くないものの、経済が好転していない中で増税になると、厳しいものがあります。
単純な税率比較で、国ごとの良し悪しを決めるのは難しいですが、低いに越したことはないですよね。