マイナス金利となり、住宅ローン関連のニュースが増えましたね。
マイナス金利が下がったので、ローンの金利も下がるのでは?という期待感もあるのだと思います。では実際にマイナス金利の影響がどのように出てくるのか見てみましょう。
住宅ローン金利は大きく2種類
世界的にも見ても日本の住宅ローン金利は、既にありえないくらい低いのですが、これ以上低くなる可能性はあるのでしょうか?
実は、マイナス金利になったからといってローン金利も下がるとは限りません。
まずは、ローンの仕組みから知っておきましょう。
金利の種類は2つ:変動金利と固定金利
簡単に言いますと、変動金利は世の中の金利状況に応じて変化しますよ、というもの。固定金利は借りた時の金利が変化せずにずっと続きますよ、というものです。
金利が低い時に固定金利でお金を借りる事ができたら、低い金利がそのまま継続しますから、有利です。
一方、変動金利は固定金利より総じて金利が低いですから、固定金利よりも無駄な利息を払わずに済みます。しかし、世の中の金利が上がってきて、住宅ローン金利も上昇したら、変動金利の場合は借りているお金の金利も高くなりますから、利息が増えて、返済金額が上がってしまうかもしれません。
どちらも一長一短があります。結果的には「変動が良かった」「固定にしておいてよかった」というジャッジはあるでしょうが、「ローンを借りる段階ではどちらの方が得かは判断できない」ということは覚えておきましょう。
金利の決まり方
この変動金利と固定金利は、それぞれ金利の決まり方が異なります。
変動金利
変動金利は、短期プライムローンといって銀行が優良企業にお金を貸すときの金利と今回のような日銀が決める政策で基準となる金利で決まります。
これに銀行など金融機関ごとにそれぞれキャンペーンやら割引があって、最終的な金利が決まります。
マイナス金利によるローン金利への影響は?
さて、今回のケースはどう影響するでしょうか?
日銀がマイナス金利にしたのだから、当然住宅ローンの金利も下がるでしょう!と言いたいのですが、そうとも限りません。
これまでも日銀は政策金利を上げたり下げたりしていますが、銀行等が安い金利を提示して顧客獲得合戦を繰り広げた影響で、常に変動金利は下がり続けてきました。
今回のマイナス金利でも、短期プライムレートは下がらず、これまでの獲得合戦で金融機関が最大限まで金利割引をしてきたためなのか、変更金利はほとんど動いていません。(ネットバンク数行だけが、少し金利を下げました。)
結論:変動金利にはほぼ影響なし
結論としましては、変動金利に関しては、今回のマイナス金利はほとんど影響がないだろうと思われます。
一方、固定金利は影響がありそうです。実は、固定金利は、長期の日本国債を基本に金利が決まりますので、日銀のマイナス金利自体は直接関係がないのです。
次回に続く…