令和3年税制大綱:住宅ローン控除はどう変わる?

令和3年度の税制改正が発表されました。その中から今回は「住宅ローン控除」を取り上げます。
住宅ローン控除に関しては、要件緩和や特例も実施されていますので、直近でマイホームを購入された方・今後購入予定の方は、ぜひhン記事をお読みください。

目次

住宅ローン控除の制度概要

まずはじめに、住宅ローン控除とは?という話です。住宅ローンを借りた人に対して、税金から一定額を控除(差し引く)しますよ、というものなのです。つまり「減税」になる制度です。

ですが、住宅を購入した方なら誰でも税金が安くなるわけではありません。減税対象となる要件がありますので、まずは必要要件を確認しておきましょう。

住宅ローン控除を受けるための要件

以下のの要件を満たしている方が、住宅ローン控除を受けることができます。

  • 50㎡以上の床面積の物件
  • 住宅取得後、半年以内に居住すること
  • 10年以上の住宅ローンを組んでいる
  • 所得総額が3,000万円以下
  • 居住用のスペースが半分以上ある

最後の項目の「半分以上の居住用スペース」とは、個人事業主やフリーランスの方が、自宅を仕事場にしている場合のケースです。

住宅ローン控除で安くなる税金

住宅ローン減税で、どのくらい税金が安くなるのかというと、

年末ローン残高の1% (上限40万円)

です。

例えば、年末にローン残高が3,000万円あるのであれば、3,000万円×1%=30万円を所得税から引くことができます。仮にその年の所得税が45万円だとすると、支払う税金は15万円で良いということになります。

これは大きいですね!

所得税から引かれる金額の上限は40万円で、それ以上の金額になる時は住民税から差し引くことになります。

例えば、ローン残高が5,000万円であった場合、5,000万円×1%=50万円が減税となります。
その時は、所得税から40万円、住民税から10万円を引くことができます。
(住民税から引くことのできる上限は13万円6,500円です)

住宅ローン控除を受けられる期間

税金が安くなる期間は10年間です。

ですが、2019年10月からは消費増税対策として、控除期間が13年と3年延びています。

消費税10%の物件が対象で、他の要件が合えば、13年間の控除を受けることができます。他の要件等に関しては後述しています。

住宅ローン控除の注意点

住宅ローン控除は、家を購入したら勝手に税金が安くなるわけではありません。ご自身で確定申告をする必要があります。

申告を忘れると本来は支払わなくても良い最大40万円もの金額を失うことになります。必ず手続きしましょう。

会社員の方の場合、確定申告手続きは初年度だけで良くて、2年目以降は年末調整にて対応できます。1回目の手続きをする際に税務署から書類をもらえるので、次回からはそれを会社に提出しましょう。

令和3年税制改正の内容を把握しておこう

ここまでが住宅ローン減税の基本的な制度内容です。

これに加えて、今年度の税制改正でいくつか追加されたものがあります。それらを確認しておきましょう。

現在は、税制改正による追加事項やコロナの特例措置など、複数の要件があり、やや複雑になっているので、契約時期に応じて、どの制度が対象になるかを表にしてみました。

まずはそちらをご覧ください。

建物契約時期入居時期物件要件・所得要件控除期間
消費税10%の物件2020/9/30までに契約2020/12末までに入居50㎡以上・ 所得3,000万円以下13年
新築注文住宅2020/10/1~2021/9/30間に契約2021/1/1~2022/12/31間に入居50㎡以上・ 所得3,000万円以下
もしくは
40㎡以上50㎡未満・ 所得1,000万円以下
13年
分譲・中古・増改築2020/12/1~2021/11/30間に契約2021/1/1~2022/12/31間に入居50㎡以上・ 所得3,000万円以下
もしくは
40㎡以上50㎡未満・ 所得1,000万円以下
13年
*中古・増改築物件は、築年数等によっては控除条件がかわる場合があります

さらに、新型コロナウイルスの影響を受けた方向けに以下のような特例措置が実施されています。

建物契約時期入居時期物件要件・所得要件控除期間
新築注文住宅2020/9/30までに契約2021/12/31までに入居50㎡以上・ 所得3,000万円以下13年
分譲・中古・増改築2020/11/30までに契約2021/12/31までに入居50㎡以上・ 所得3,000万円以下13年
*中古・増改築物件は、築年数等によっては控除条件がかわる場合があります

契約・入居時期別住宅ローン減税要件

以下、表に関して解説していきます。契約時期や入居時期に応じて、必要な要件や対象物件等が異なるので時期別に記載しています。

2020年9月30日までに契約:12月末までに入居している方。

この方は、消費税10%の物件でしたら、住宅ローン控除は13年受けられます。

床面積は50㎡以上のみが対象となるので、49㎡以下の場合は対象外となります。

2021年1月以降に入居される方

契約時期が、

新築注文住宅2020年10月1日~2021年9月30日の間に契約
分譲住宅・中古・増改築2020)年12月1日~2021年11月30日の間に契約

という契約期間の範囲内であることが必要です。

そして、2022年12月末までに入居すれば、住宅ローン控除は13年間対象となり、床面積が40㎡~49㎡の物件も住宅ローン減税の対象となります。

新型コロナの特例措置

以下の期間に契約をされた方で、2020年末までに入居できなかった方には、入居が遅れた原因が新型コロナの影響であった場合のみ、特例措置で13年間の住宅ローン減税の対象となります。

契約時期

新築注文住宅2020年9月30日までに契約
分譲住宅・中古・増改築2020年11月30日までに契約

入居時期

2021年12月31日までに入居

対象物件は50㎡以上のみとなります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

2019年の消費増税対応・今年度の税制改正・コロナの特例、が並行しているため、非常に複雑ですが、契約時期や入居のタイミングをチェックして、ご自身はどのパターンに当てはまるか確認いただけたらと思います。

無駄な税金を払うことがないよう、十分にお気を付けください。

参考:

自由民主党「令和3年度税制改正大綱」

https://jimin.jp-east-2.storage.api.nifcloud.com/pdf/news/policy/200955_1.pdf

住宅ローン減税の適用要件の弾力化について(新型コロナウイルス感染症関係)

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/kansensho/keizaitaisaku/pdf/keizaitaisaku_3.pdf

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この記事を書いた人

場末のファイナンシャルプランナー。得意分野は、保険とローン・資産運用。自社では、食品卸・輸出・旅行手配も行ってます。猫と音楽とガジェット類が好き。

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