僕の事務所は、東京都新宿区曙橋にあります。
近くには防衛省があり、新宿と市ヶ谷の間、少し南に四谷三丁目駅です。
この四谷三丁目に生鮮食品スーパーの丸正というお店があります。
経営形態を変えた買い物かご
丸正は、今は数十店舗を展開するスーパーチェーンですが、四谷三丁目のお店は丸正四谷総本店といい、1919年に青果物小売業としてスタートしたルーツのあるお店です。
今でこそ、深夜遅くまでオープンしている店(24時間営業も普通にありますね)や買物かごに商品を入れてレジ清算は当たり前になっていますが、丸正はこうしたシステムを導入した走りのお店なんです。
1959年に地下鉄丸ノ内線が全線開通し、四谷にも乗り入れるようになると、夜遅くに買物をしたい人のニーズが高まるとして、丸正は深夜までの営業をスタートさせます。
しかし、営業時間が長くなると共に人件費も多くかかるようになり、採算が合わなくなってきます。そこで導入したのがレジ。
当時は、商品選びから精算までを顧客と店員が1対1で行っていたのが常識。店員さんがついて回って選んであげてお会計をするというスタイルだったんですね。
しかし、このような対応ですと、営業時間が長い上に人の数が足りなくなってしまう…そこで、顧客自身が商品を選び最後にレジでまとめて精算するというしくみを入れて、人件費を抑えようとしたんですね。
当然、店員とのコミュニケーションが減りますので「対応が冷たい店」などと言われ、随分クレームも出たようです。
当時としては全く新しいシステムでしたでしょうから、従業員も慣れていなかったでしょうし、問題もあったのだと思いますが、時代か環境の変化に対応した結果で、またトレンドに合っていたんでしょう。
これが今の常識のシステムになったのですから。
何かを変化させるときは、必ず反発があるものです。その変化にどう対応していくかが大事なんだと思います。
「世の中が常に変化している」ということは不変ですね。