蒸し暑い日も増えてくる季節になりましたが、新型コロナウイルスの影響で、マスクをしたまま外出する機会も多いと思います。
厚生労働省では、熱中症の危険性も指摘していて、「健康のため水を飲もう」推進運動を行っています。
今回は、水分補給の量や水の飲み方・健康障害について解説します。
人間は、1日に2.5リットルの水が必要
人間のからだの約60%は水分です。
例えば、体重60㎏の成人男性の場合、約36㎏分が水分となります。
一般的に人は、尿・便や汗などで1日で約2.5ℓの水分を排出しますので、食事で1ℓ・体内で作られる水で0.3ℓと合わせて、1.2ℓを飲み水として摂取する必要があります。
脱水と健康障害
水分摂取量が不足すると血漿浸透圧が上昇し、のどが渇き、尿が濃縮されます。水分の摂取量不足は、健康障害や重大な事故の大きなリスク要因の一つとなります。
水が不足すると下記のような疾患が発症する恐れがあります。
熱中症
脱水による血液の濃縮のために循環不全が起きて、酸素や栄養素の運搬あるいは体温調節にも重篤な障害を起こすことがあります。これを熱中症と言います。
熱中症には下記の3種類があります。
- 熱疲労(血流増大の要求に心臓から送り出す血液量が追いつかなくなった状態。脱力感、倦怠感、めまい、悪心などの症状から始まり時には失神も見られます。)
- 熱痙攣
- 熱射病(異常な体温上昇により中枢神経障害を起こした状態。血液が固まらなくなったり、全身の臓器障害を合併したりすることが多く、死亡率も高くなります。)
脳梗塞
脳血管が閉塞又は狭窄し、脳虚血を来たし、脳組織が酸素、または栄養の不足のため壊死、または壊死に近い状態になる疾患を脳梗塞と言います。
発症時間で最も多いのが夜間から早朝にかけてで、これは、就寝中には水分をとらないために脱水傾向になることと深い関わりがあるとされています。
心筋梗塞
冠動脈の血流量が下がり、心筋が虚血状態になり壊死、または壊死に近い状態になる疾患を言います。
水の飲み方
のどの渇きは「脱水」が始まっている証拠です。渇きを感じてから水を飲むのではなく、渇きを感じる前に水分を摂ることが大事です。
水分が不足しやすいのは、
・就寝の前後
・スポーツの前後、途中
・入浴の前後
・飲酒中、飲酒後
等です。
このようなタイミングでは、意識的に多く水を飲むようにしましょう。
水分の摂取量は多くの方では不足気味です。
水を飲んだと思っても、平均的には「あとコップ2杯分の水」を飲めば、必要な水の量を確保できます。
アルコールや多量のカフェインを含む飲料(エナジードリンクなど)は、尿の量を増やし体内の水分を排せつしてしまうので、水分補給には全く向いていませんので、十分に注意しましょう。
健康な身体はまさに”資産”
FPとしては、健康を維持することが最も効率的で無駄のない資産運用法だと思っています。
年齢を重ねれば重ねるほど、身体に問題が起きる確率は高まっていきます。
健康でいればいるほど、医療費・介護費などを使わずに済みます。一般的には、同じ病気において、「治療」と「予防」では、必要なお金が3倍もの差が出る、と言われています。もちろん治療のほうがお金がかかります。
健康でいること自体が、支出を減らし、豊かな生活を彩るためにお金を使えるので、まさに高い「資産価値」があると言えるでしょう。