「住宅ローン金利最低水準」という見出しで、三菱東京UFJ銀行とりそな銀行が6月から10年物の固定金利を民間銀行では過去最低の年1.4%に引き下げ、利用者にとってはローンの金利負担が減り、住宅購入へ向けた追い風になっていることが新聞の見出しに。
前年同期には年2%程度だった10年物固定金利の住宅ローンは各銀行の主力商品であり、みずほ銀行や三井住友銀行も最優遇金利を1.5~1.6%に下げるなど、民間金融機関全体に低金利競争が拡大していますね。
こうした引き下げ競争は、信託銀行やインターネット銀行が主導する形で変動金利型商品を中心に進んでいましたが、現在では大手行でも年1%を下回る低水準で借りられるというのですから、住宅購入における金利負担関は極端に減少しています。
しかし銀行が利用者のことを考えて金利を引き下げている訳ではなく、企業が歴史的水準で手元流動性を確保し資金需要が低迷する中で、企業向けよりもリスクが低い個人向けに軸足を移しているに過ぎません。
しかし、これだけ金利が下がっても所得低迷で、ローンの利用は低迷しており、国内の住宅ローン残高は07年6月に約188兆5千億円をピークに減少傾向が続いています。
家を買わない(買えない?)のは金利の問題ではなさそうです。
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