現在、日本にある約6060万の住宅戸数のうち、13.5%にあたる820万戸が空き家なのだそうです。都心は人口の1/4がマンション住まいなので、高齢者が多い戸建ての空き家が今後より一層増えていきそうです。ある試算によると、25年後の2014年には半数近くの45%が空き家になるとも言われています。
私は、マンション住まいの方からのローン相談が多いのですが、老後の心配をされる人が非常に多いです。老後の住まいをどうするかは非常に重要な問題ですよね。
マイホームが必ずしも良いわけではない
マンションにせよ戸建てにせよ、例えば40歳前後の方が買われた家は、定年を迎える凡そ25年後には、価値がほとんどなくなるか、買い手がつかないという可能性は非常に高い訳です。何せ総数の半分近くが空いているわけですから、高く売れる可能性があるのは、都心や利便性の良いエリアの物件だけということになります。
これはもちろん人口減少問題に起因することなのですが、これまでの生き方の定石「マイホームを持つ」ことが正しい時代ではなくなってきています。
ご自身が買われる住まい(マンション/戸建て)は、あくまで投資対象として長期的な資産価値があるモノなのかどうかをしっかり判断する必要があると思います。
住宅は不動産=投資です
マイホームは投資じゃない!とおっしゃる方も多いのですが、…残念ながら投資です。
不動産投資との違いは、買った不動産を自分で住むか、人に貸すか、だけですし、いざ売り出す時には資産価値があるのかどうか、というのは大きな問題なのです。
どのように家を買ってどのように手放すのか、または持ち続けるのか、これはご家庭ごとのライフプランに応じて変わってきます。住まいはライフイベントにおいても大切な位置づけですし、
決して安い買物ではなく、ライフプランに多大な影響を及ぼす以上、マイホーム(不動産)購入という投資行動は、購入時だけではなく、売却する・賃貸に出すといった「出口戦略」も非常に重要なのです。
持ち家が得か賃貸が得か
持ち家が得なのか、賃貸の方が良いのか、はライフスタイルや価値観によってもかなり異なります。
また、損得に関しては結果論にしか過ぎません。売ってみないとわからない。予測も難しい。その時を迎えてみないと損だったのか得だったのかは判断できないのです。
例えば東京近郊ですと、つくば⇄東京間につくばエクスプレスが通ったことで、沿線の土地でかなり値上がりしたエリアもありました。これは数十年前にはわからなかったことですよね。結果として、得をすることもあるわけです。
ですが、人口減少が進む日本では、現在でも資産価値が見込めない住宅で、将来的にも得になるものは確率的には非常に低いと思います。マイホームを買われている方は、結果的に損をする可能性の方が高いというのが現実でしょう。これは、高齢者の「健康寿命」にも関係します。
不動産は、買い方・物件選びはもちろん重要ですが、誰から買うか、というのも実は外せないポイントです。目利きのない方は、ぜひプロにご相談ください。私も自宅を購入する際は、かなりレベルの高いプロフェッショナルに聞きました。(FPなので資金計画やローンの組み立ては自分でやりましたけどね)
結論:損をしたくなかったら利益を生むための物件選びをするしかない
持ち家が損か得かと聞かれたら「誰にもわかりません」が正解です。また、不動産投資的な発想を一切排除して購入するのであれば損得を問うてはいけません。逆に、損をしたくないのであれば、「マイホームだけど将来利益を生む物件しか買わない」と決めて、めっちゃ選んで買えば得をする可能性は高まります。利益を生めるかどうかをプロに相談しながら購入して初めて損得を計れると言ってよいでしょう。それ以外は損得を考えちゃだめです。(というか損をする可能性は高い)
ぜひ、これから家を買いたいと思っている方は、ご家族やご夫婦で、持つ方が良いのか、持たない方が良いのか、話し合ってライフプランを組まれることをお勧めします。
そして、なかなか想像しにくいとは思いますが、出口をどうしていくかもしっかり考えた上で、物件や購入方法・ローンの返済方法を計画されると良いと思います。
不動産の営業からだけでなく、FPや別の不動産業の方などにセカンドオピニオンを求められるのもおすすめです。